金曜の夜に風邪を引く

決まりきらない想像の旅

瓦礫の上に

とても真剣な人の熱が冷める瞬間には多分、大事な人との別れにも似た悲しみがあるんだろう。理由が外的で統制不可能であればある程、それは大きくなる。

無念は皮膚に現れてかさぶたになって、涙と一緒に剥がれ落ちて行った。それは対象を冷やし、疲れだけを身体に残したように見えた。でも剥がれた痕の皮膚が思ったより綺麗に見えるのは、そこに次に向かう生命力があるからなのかもしれない。

終わった事だよ、と淡々と言う背中に、慰めも同情も要らない。意味を求める程に、人は止まっては居られない。別れも多くなる。それが必然なら、受け入れて進むしかない。

人は選び取ったものだけで成り立つのではなく、捨てた物の上に立っているのだといつも思う。かつて輝いていた自分の一部は、瓦礫と化しても今の自分への過程となって、もう一度自分の一部になる。

数多の瓦礫の上に立ち、選び取った物と共に進む。その先に、光があるようにと願う。